税理士の経営・財産・相続トピックスVol.056「平均データの不思議」
派遣社員の平均時給が下落しているとの新聞記事がありました。
どこも人手不足で給与が上がっているというのに、派遣全体の平均時給は下がる、何故でしょうか?
派遣職種を個別に見ると、時給は上昇しています。それならば平均は上がるはずです。
その一方、介護福祉系に派遣される人数が急増しています。他職種と比較して時給が低いため、派遣社員全体の平均額を押し下げていたのです。
なるほど計算上の平均データとしては正しい。
しかし、参考にしてよいものでしょうか。
様々な統計データがあります。
しかし、それらが実態として意味のあるデータなのかどうかは個別に検証が必要です。
ベンチマーキングは、ベストプラクティスと比較してどうあるべきか。
私どもも、お客様にとって意味のあるデータを提供させていただきます。
他社との比較は他社の事情で変わりますから、データ上で良い数字だったとしても、自社が成長した結果かもしれませんし、他社が変わった影響かもしれません。
わかりやすいのは自社比較です。
過去と比べてどうか? 未来の自社と比較してどうか? 時系列で比較する。予算で比較する。
過去や未来と向き合っていくことは厳しいことですが、経営者としては向き合っていかなければなりません。
それを楽しみにして行きましょう。
(参考:2018年3月、派遣社員の平均時給は18ヶ月ぶりに上昇に転じています。)
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2018年5月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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